顎咬合学会
皆様こんにちは(^O^)歯科衛生士の池内です。
6月10日、11日の2日間行われました顎咬合学会に出席してきましたので、その報告をさせて頂きたいと思います。
報告の前に、6月10日(土曜日)は、学会出席にあたり臨時休診になりご迷惑をおかけ致しました事をお詫び申し上げます。
さて、本題に入りたいと思います。
今回は、歯に関わる「力(ちから)」について勉強をしてきました。
皆様、それぞれの歯によって役割がある事はご存知ですか?
実は前歯、犬歯、奥歯とそれぞれに違う役割があるんですよ。だから、どれ一つとして失ってもいい歯はないんです。
えっ!?じゃあ、もうなくなってしまってる私は手遅れなの?って思われた方もいらっしゃるかもしれません。
いえいえ、手遅れだなんて、そんな事はありません。そこを補う適切な方法でしっかり他の歯に負担なく噛めるように機能回復をしてあげれば大丈夫ですよ。
もし、全ての歯がなくなってしまってる状態であれば、顎や関節に負担がかからないようにしてあげれば良いのです。
ですが、そこに「力(ちから)」が大きく関係してくるんです。
何故その歯は虫歯や歯周病になってしまったのか…また、なぜ歯を失ってしまったのか…そこに至るまでに何が起こっていたのかを考えていかなくてはいけません。
その原因は歯だけに留まらず全身にも影響が出てきている事が多いんですよ。
実は気付いていない癖、知らず知らずの間にやっていた習慣が関係しているかもしれません。
虫歯や歯周病を治すにはただ単に定期的に歯科医院に受診してフッ素を塗ったり歯垢・歯石除去をするだけでは根本的な改善にはならない事も多いんです。
もしかしたら、当院に通院して頂いてる患者さまは、よく癖を聞いてくるな?と疑問に思われた方もいらっしゃるかもしれません。
実はこう言う事が関係しているからだったんですよ。
今回の学会に参加してより高度な内容を勉強してきましたので、皆様のお役に立てるよう、そして一人でも多くの患者さまに当院に受診して良かったと思って頂いてるよう精進していきたいと思っています。
これからも一緒にお口の健康、そして全身の健康を維持できるよう頑張っていきましょう。
2017年6月11日
力のコントロール
歯科衛生士の池内です。
今回は、前回(9月28日)の続きで、TCH(上下歯列接触癖)をやめる事によって何が防げるのかについてお話させて頂きたいと思います。
TCH(上下歯列接触癖)は、顎関節症だけでなく、他のさまざまなお口の中の症状と関連があると考えられています。
定期的なメインテナンスを行っているにも関わらず、詰め物・被せものが外れたり破損する場合や、歯周病の悪化です。
歯周病は歯垢が原因で起こる感染症なのですが、TCH(上下歯列接触癖)をはじめ、噛みしめや歯ぎしりによって悪化する事があります。
ここには、歯垢による炎症の問題だけでなく、お口全体にかかる力の問題、就寝時の歯ぎしりやくいしばり、日中のくいしばりや噛みしめの力の強さが関係していると言われています。
ただし、歯ぎしりはほとんどがギリギリと音はしないのでご自身も周りの方も気付いていない事が多いです。
この力の問題には、TCH(上下歯列接触癖)も含まれているとも考えられています。
歯の接触時間は、通常20分程度です。
この事を考えると弱いけど長くかけ続ける力は、強い影響を与えていることが想像できます。
しっ かりメインテナンスをしていたとしても、TCH(上下歯列接触癖)を含めた力に対するコントロールがなければ、歯周病の悪化や詰め物・被せものの破損、イ ンプラントのねじのゆるみなどが起きてくる可能性がありますので、そちらのコントロールもメインテナンス時に一緒にやっていきましょう。
メインテナンスを続けているからこそ気付く事が出来ることもたくさんあります。
1本でも多くご自身の歯を残せるよう最大限サポートさせて頂きたいと思います。
気になる事や不安に思われている事がありましたら、お気軽にご相談下さいね。
2014年10月5日
思い当たる節ありませんか?
歯科衛生士の池内です。
前回、TCH『上下歯列接触癖』についてお話させて頂きましたが、今回は、顎関節症についてお話させて頂きたいと思います。
顎関節症という言葉を、一度は耳にした事がある方は多いのではないでしょうか?
症状としては、
「お口を開け閉めするとカクカク音が鳴る」「お口を開け閉めすると痛みがある」
「お口が開かない」
などがあります。
どれか1つでも当てはまれば、顎関節症の疑いがあります。
顎関節症は、あごを安静にしていれば、自然に症状が改善することが多い病気でもありますが、中には良い経過をたどれない方もいらっしゃいます。
その場合、TCH『上下歯列接触癖』が関係している可能性があります。
それ以外に頬杖・片噛み・歯ぎしりなども顎関節症の原因とも言われています。
ですので、それらを1つずつ取り除くことと、あごのリハビリテーションを行う事が必要になってきます。
なかなか症状が良くならない方は、1度歯科医院を受診される事をおすすめします。
では、TCH『上下歯列接触癖』をやめる事で、何が防げるのでしょうか?
その辺りのお話を次回お話させて頂きます‼
2014年9月28日
その痛みひょっとして…
こんにちは。歯科衛生士の池内です。
本日は、顎関節症の原因の1つと言われているTCH『上下歯列接触癖』についてお話させて頂きます。
さて、みなさん、今現在上と下の歯はどうなっていますか?
上下の歯は触れていますか?それとも、離れていますか?
もし、上下の歯がどこかで触れているとしたら、リラックス時に上下の歯を接触させる癖があるのかもしれません。
舌の定位置について以前(2014年2月18日)のブログでお話させて頂きましたが、舌の位置が正しい位置にある場合、リラックスしている時、唇を閉じていても、上下の歯は触れずに1~3㎜程度離れています。
口を閉じるときに使う筋肉、口を開けるときに使う筋肉がともにリラックスして緩んでいる時にこの状態であるのが、本来の状態であると言われています。
では、ここで問題です。
1日の中で歯が接触している時間はどのくらいだと思いますか?
①20時間程度
②2時間程度
③20分程度
正解は、③20分程度です。
1日の中で歯が接触するのは、咀嚼(噛む)、嚥下(飲み込む)、会話の時です。
みなさん、どうでしょう?日常生活を思い返してみて下さい。
意外に20分より長く歯が接触している方が多いのではないでしょうか?
TCH『上下歯列接触癖』では、噛みしめとは違い、無意識に弱い力で噛んでいる為、長時間噛んでいることが出来ます。
ちなみに、強く噛みしめた場合、筋肉に痛みが出ますが、痛みに耐えながらも継続できるのは、2分程度と言われています。
弱い力とは言え疲労はありますが、ご自身はそれに気づけていない為、筋肉が疲れきった状態で初めて気付くことになるのです。
その筋肉の疲労が顎関節症を引き起こす原因の1つとも言われています。
まずは、舌の位置を改善する事から始めてみてはいかがでしょうか。
2014年9月23日